読物の部屋その9
★H11年度 東京国際ボートショウの印象★
                     ーーー2/11 横山昭允


バブル崩壊後マリーンに対する日本のマーケットは特にマリーンレジャーに関する牽引を企業主体のレジャーとして捉えていたり、一般的に日本の良港は漁業関係の基地として国がそのインフラを担当し発展してきた為バブル期には新たなレ ジャー関係のインフラ構想が国を主体に構想され、マリーンレジャービジネスと して大いに発展を期待された訳である。 しかしながらバブル崩壊後はもともと一般的にマリーンレジャーとしての一般性が一部の高所得者層で庶民性が無かった事やレジャーインフラが無かった事により急激に冷め、マリーンレジャーとしての発展のチャンスは失われる事に成っ た。

一方米国はマリーンレジャー産業が、マーキュリー社とOMC社の2社により時々の景気に左右されながらレジャー用船体メーカーと共にあるレベルの産業として維持されているがエレクトロニクス通信産業等のハイテク産業の様な発展性を期 待されるものではなくその趣味性を如何に活性化させるかに大きなウエイトが占 められている。

この様な事から米国のマリーン産業も一旦不況に成れば、生活に直接関係の無い レジャー関連から節約される為不景気での産業への好不況は直接的である。
ホンダのこの業界への参入はかなり古いが本格的には約10年前に中型の45PS4サイクルアウトボードで参入し、昨年130PSを上市し、ビジネスとして3桁の億を超える売上高を確保し一つのエンジンビジネスとして今後の発展性を期待されている分野である。 ホンダの4サイクルOBの進出により、世界の環境問題が追い風になり世界的に評 価され他の先発メーカーもY社をはじめ全てのメーカーが4サイクルOBを上市せざるを得なくなり、トップランナーホンダの戦略がこの業界を引っ張る事に成るであろう。

さて本題の東京国際ボートショウに戻るが、バブル期のマリーンショウに比較し小振りに成り、それだけ我々庶民に近いレベルの展示に成り、「私でも買えます ・・・」 の期待が出来そうな雰囲気に成りつつある感じである。 沿岸で釣りを楽しむレベルの船としては日本の変化しやすい海を考慮すれば、やはりある程度の大きさが必要であり、21から23フイートはミニマム必要であり、それをベースとした和船タイプが好ましい。このクラスだと大体100PSから130PSクラスのOB を搭載し価格は35 0万円くらいで、自動車で言えば、レジェンドクラスの購入価格であり、一般的 なゴルフ場の会員権価格でも有り、背伸びした庶民感覚にマッチ出来そうな感じである。

勿論船体の保管や日本では克服すべき課題は有るにしても好きな趣味を考えれ ば、これくらいの出費は皆様方も出している事でしょう。 従って今年の船体の展示は、この350万円クラス、一クラス上の600万クラ ス、1000万円クラスと高いものでも2000万円が最高で、一時の億を越す船体展示は限られていた。 釣りにしろ、船に乗るにせよ一人ではつまらないので、好きな人が5人ぐらい集まれば1000万円クラスの船体を購入しても、一人200万円出せば可能なわ けで、現実的であるし、船に乗った後の後始末は一人では大変で、その意味でも複数の人で購入した方が使用頻度も高まり、減価償却も有効で現実的である。 関東地区のマリーナの保管料は月十万円ぐらい、マリーナでの上げ下ろしが一回 5000円位であるから、都内で駐車場を借用している人から見ればそうべらぼ うな費用ではないと思えます。

さて今回の特記すべきことは、ホンダの船外機の他社へのOEM 供給である、ホ ンダと同じカラーで NISSAN やYANMAR 等の他、船体メーカーにも供給され、展 示場のあちこちでホンダの船外機を見ることが可能になった事は大変なビジネスのエポックだと思われる。21世紀の日本社会の変化や日本人の嗜好がどの様に変化するか面白い課題ですが、海洋国日本人が海えの回帰に期待しながら、簡単にまとめました。
マリーンへご興味の方のサジェスションをお待ちしております。   
        横山昭允

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